ドラッグトピックス2014年1月6日号〜新年特大号〜
「セルフメディケーション」をよみなおす

2013/12/26


 新たな段階を迎えたOTC医薬品
 本格的なネット時代の到来で、OTC薬が厳しい価格競争にさらされ始めている。今だからこそ、医薬品販売の本家薬局やドラッグストア(DgS)は、原点ともいうべき相談販売へと舵を切り直さねばならない。
 販売に人が介在し、健康でのサービスを提供する。時に予防、時にアフターケアに関するサービスを重点的に行う。その昔は当たり前だったこのOTC薬の販売方法への回帰が薬系小売企業には求められている。
 もちろん、事業規模が大きければ一時的に業績は落ちる。しかし先を見れば今、荒療治に取り組まないと、先がないことも火を見るより明らかだ。そのままでも生き残ることは可能だが、それが薬局・DgSであるかは別の話となろう。しかし、業界自体は至って楽観的だ。
 今年度、機能性表示が改変される健康食品でも、表示拡大は「DgSの範疇」とか「専門性をより発揮できる」とか寝言とも取れる楽観的な意見も多々見られるが、効果・効能をうたったOTC薬すら相談販売ができないと指摘されているのに、表示が具体的ではなく、相談を通してその個人に合った商品を提供しなければ絶対に効果を体感させられない健康食品が売れるはずもないことは、関係者自身が一番分かっているはずだ。
 遅々として進まないセルフメディケーション啓発、シュリンク傾向が止まらないOTC薬と、ヘルスケア業界を取り巻く環境は依然厳しい。しかし、われわれはただ指をくわえて見ている訳にはいかない。ディスカウント化やコンビニ化では真の差別化にはつながらない。
 異業種の健康領域への進出が本格化する今年、迎え撃つ側としては正念場だ。ここでやり方を間違えると、その存在価値は業界が望む方向とは違った形になるのは必定。地域の健康ステーションというアジェンダを異業種にも掲げられてしまった今、本家の薬系小売業界は何をすべきなのか!?
 昨年卸のアルフレッサヘルスケアが自社展示会で、イベントやお祭りの企画提案をしていたのは記憶に新しい。斬新な発想だが、まさに取り組むべきであろう。
 とにかく地域生活者と直接触れ合うことで生まれる何かを見つけることが存在意義の再確認につながる。そこでスタッフと顧客が密になれば、そのスタッフのモチベーションは誰よりも高くなる。業態の差別化もさることながら、薬剤師、すなわち人による差別化が一番有効なのである。

             <新年号の内容>

 新春特別インタビュー

  ・日本OTC医薬品協会会長 吉野俊昭氏
   「時代はセルフメディケーションからセルフケアへ」
  ・セルフメディケーション推進協議会会長 池田義雄氏
   「超高齢化社会下でのセルフメディケーション啓発の在り方」

 業界別特別インタビュー
  ・DgS企業篇 ココカラファイン社長 塚本厚志氏
  ・DgS団体篇 日本チェーンドラッグストア協会事務総長 宗像 守氏
  ・調剤薬局篇 ファーマシィ社長 武田 宏氏
           リライアンス 社長 重松清二氏
           永冨調剤薬局 社長 永冨 茂氏
  ・メーカー篇  明治社長 川村和夫氏

 羅針盤2014
  ・国立循環器病研究センター薬剤部
    医薬品情報管理主任 岩澤真紀子氏
  ・日本医療データセンターヘルスケア事業部
    事業部長 本多功征氏
  ・稲毛病院整形外科部長 佐藤 務氏
  ・広島大学薬学部教授 森川則文氏

 (ドラッグトピックス2014年1月6日号)


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